あらすじ

「ぼくはうまれたとおもった。」

道路に面した、小さな本屋。そこには若い女性店主が一人。
そして店内には、ひとつの水槽。

女性店主には、長い付き合いの恋人がいる。
同じくらい長い付き合いの親友も。

熱帯魚がうまれた店内は、なにやら暗い。

憂鬱は冷めたコーヒーとなって店主の胃を流れ、
その残り香は恋人や親友にも振りかかる。
水の中の熱帯魚だけは、きちんと整えられた水に揺られながら。

ただ水中で、気付かない愛を、みつめた。

inserted by FC2 system